オーガスタ・ナショナルの歴史に新たなドラマが刻まれようとしている。マスターズ2026最終日、45歳のジャスティン・ローズが前半だけで4つのバーディーを奪い、一時は単独首位に立った。ディフェンディングチャンピオンのロリー・マキロイ、そして土曜日に猛追を見せたキャメロン・ヤングとの三つ巴の戦いが、日曜日のオーガスタで繰り広げられている。

「未完の物語」——3度の準優勝という十字架

ローズとオーガスタの関係は、美しくも残酷だ。2017年にはセルヒオ・ガルシアとのプレーオフで涙を飲み、2025年には連覇を狙うマキロイの前に再びプレーオフで敗れた。マスターズで2度もプレーオフに敗れた選手は、長い歴史の中でもローズただ一人である。

3度目の準優勝は2015年に遡る。ジョーダン・スピースの圧勝劇の中、ローズは4打差の2位でフィニッシュした。メジャータイトルは2013年の全米オープン(メリオン)の1勝のみ。「あと一歩」のストーリーを、もう10年以上も背負い続けている。

45歳——ニクラス以来の最年長制覇へ

もしローズがこのまま逃げ切れば、1986年にジャック・ニクラスが46歳で達成して以来、史上2番目の年長マスターズチャンピオンとなる。あの伝説的な日曜日、ニクラスがバックナインで6バーディーを奪った「ベアの咆哮」に匹敵する物語が、今まさに進行中だ。

ローズは今季、世界ランキングこそ30位台に落ちているものの、ショットメイキングの精度は健在。特に7番ホールで見せたアプローチショットは、ギャラリーを沸かせた。ピンの手前5フィートにピタリと止まるアイアンショットは、彼の技術が衰えていないことの証明だった。

マキロイとの因縁の対決

昨年のプレーオフでローズを下してグリーンジャケットを手にしたマキロイは、今年も優勝争いの渦中にいる。2日目終了時点で6打のリードを築いたマキロイだったが、土曜日に1オーバーの73と崩れ、リードは完全に消滅。日曜日は追う立場での戦いを強いられている。

ローズにとっては、昨年の雪辱を果たす絶好のチャンス。しかしマキロイが連覇を達成すれば、ニクラス、ファルド、タイガー・ウッズに並ぶ史上4人目のマスターズ連覇という偉業となる。どちらが勝っても歴史的な日曜日になることは間違いない。

ティレル・ハットンの存在も見逃せない

LIVゴルフのレギオンXIIIに所属するティレル・ハットンも、10アンダーで上位につけている。土曜日に66の好スコアをマークし、一気にトップ5に浮上。LIVゴルフ勢としてはマスターズでの最高位フィニッシュを狙える位置にいる。

「45歳だからといって、何かが変わるわけじゃない。ゴルフは年齢ではなく、その日のショットの質で決まる」——ジャスティン・ローズ

オーガスタの後半9ホール、通称「アーメンコーナー」を含む厳しい戦いがこれから待ち受けている。ローズの「未完の物語」は、ついに完結するのだろうか。世界中のゴルフファンが固唾を飲んで見守っている。