フロリダ州マイアミのトランプ・ナショナル・ドラールに、台座込みで高さ約6.7メートルにもおよぶ巨大なドナルド・トランプ大統領の黄金像が設置された。PGAツアーの新シグネチャーイベント「カデラック選手権」(4月30日〜5月3日)開幕を翌日に控え、練習ラウンドに訪れたプロゴルファーたちが次々と反応。ゴルフコース史上もっとも話題性の高いオブジェとして一気に世界中の注目を集めた。

金像の全貌——誰が、なぜ作ったのか

像の制作者は彫刻家のアラン・コットリル氏。発注したのはPGAツアーや大会主催者ではなく、「Patriot Token($PATRIOT)」と呼ばれる暗号資産(仮想通貨)グループだ。像の高さは約4.5メートル、台座を含めると約6.7メートルに達する。ゴールドリーフで仕上げたブロンズ製で、製作には相当な費用と期間が投じられたとみられている。

描かれているのは2024年7月、ペンシルベニア州での集会中に起きた暗殺未遂事件後の場面だ。流血しながら右拳を高々と突き上げたトランプ大統領の姿は、当時アイコニックな写真として世界を駆け巡った。Patriot Tokenはこのシーンを永続させることで投資家の参加を促し、トークン価値の向上を狙う戦略的なプロモーションと説明している。

プロゴルファーたちのリアルな反応

練習ラウンドでコースを訪れたプロたちは、ドライビングレンジ付近にそびえ立つ巨大な金像に思わず足を止めた。各選手のコメントが続々とメディアを賑わせている。

「他に何を期待するんだ? 写真を撮る? 私より大きく見えてしまうからな」 — リッキー・ファウラー(Golfweekより)
「とても高くて、とても金色だね」 — マーベリック・マクニーリー(報道陣のインタビューより)

一方、大会スタッフはカメラマンから像周辺での集合写真を求められた際も断るなど、対外的な対応には慎重な姿勢を崩さなかった。報道ではこの金像について「北朝鮮の指導者像に例えられる」という欧米メディアの論評も出るなど、ゴルフの話題を超えた反響を呼んでいる。

カデラック選手権とは——10年ぶりのドラール復帰

カデラック選手権2026 アクシェイ・バティア
カデラック選手権2026の注目選手アクシェイ・バティア(出典:Golf Digest)

カデラック選手権は、PGAツアーが2026年シーズンに新設した唯一のシグネチャーイベントで、賞金総額は2000万ドル(約30億円)。2015年以来約10年ぶりに、トランプ・ナショナル・ドラールの「ブルーモンスター」コースへ凱旋する。かつては世界ゴルフ選手権(WGC)の舞台として輝かしい歴史を持つコースだ。

世界ランキング上位72名が対象となるシグネチャーイベントだが、ロリー・マキロイ、ザンダー・シャウフェレ、ルドヴィグ・オーベルグら上位陣のうち5名が今大会を欠場。それでも、世界1位のスコッティ・シェフラーをはじめ、松山英樹、コリン・モリカワ、アクシェイ・バティアら豪華メンバーが顔を揃えた。

ゴルフ界を超えた「象徴的な像」の行方

今後この金像がドラールの名物スポットとして定着するのか、それとも大会後に撤去されるのかについて、トランプ・ゴルフグループは明確なコメントを出していない。ただ、Patriot Tokenは像の設置が「長期的プロジェクト」であるとし、暗号資産コミュニティへの訴求効果を最大化する意図があることを示唆している。

トランプ大統領本人は大会観戦のため会場を訪れる可能性があるとも伝えられており、その場合には更なる話題を提供することになりそうだ。ゴルフと政治、そして暗号資産という3つの要素が交差したこの出来事は、2026年のPGAツアーで語り継がれるエピソードのひとつになるかもしれない。

カデラック選手権2026 大会概要

項目詳細
開催期間2026年4月30日〜5月3日
開催コーストランプ・ナショナル・ドラール(フロリダ州マイアミ)
賞金総額2000万ドル(約30億円)
出場資格世界ランク上位72名(シグネチャーイベント)
優勝候補スコッティ・シェフラー(世界1位)
日本人出場松山英樹