LPGAシェブロン選手権2026の会場となるテキサス州ヒューストンの「メモリアルパークゴルフコース」。市営パブリックながらPGAツアー級の戦略性を備える名門コースは、トム・ドゥークとブルックス・ケプカが監修した2019年の大改修を経て全米屈指のチャンピオンシップコースへと生まれ変わった。その特徴と攻略ポイントを徹底解説する。

メモリアルパークとは——80年続く市営の名門

メモリアルパークGCは、ヒューストン中心部の大公園内にある市営(公営)コース。1936年開場で、1947年に第1回ヒューストンオープンを開催して以来、1951〜1965年までPGAツアーの舞台となった歴史を持つ。その後は地域住民に愛されるパブリック施設として運営されてきたが、2019年の大改修を境に再びプロツアーの舞台へ返り咲いた。

メモリアルパークGC 基本データ

項目内容
所在地テキサス州ヒューストン Memorial Park
開場年1936年(2019年大改修完了)
設計トム・ドゥーク(改修時コンサル: ブルックス・ケプカ)
運営ヒューストン市公園レクリエーション局
パー/距離パー72 / 男子 7,432ヤード・女子(LPGA用)6,811ヤード
主な開催大会ヒューストンオープン(PGA・2020〜)/シェブロン選手権(LPGA・2026〜)

ドゥーク×ケプカ改修の革新点

2019年、ゴルフ界屈指のミニマリストとして知られるトム・ドゥークが改修責任者に就任。当時世界ランキング1位だったブルックス・ケプカをツアー側の技術顧問として招き、「ツアープロが本気で挑めるパブリックコース」を合言葉に、ダイナミックなバンカーリング、固く速いグリーン、短いパー4のリスク&リワード設計を織り込んだ。

改修後の特徴

  • 戦略的バンカー:ティショットのセカンドエリアに大型の荒地バンカーを配置、「飛ばすよりも置く」選択が必要
  • 小さく固いグリーン:スティンプメーター13フィート超え、LPGAセッティングでは12フィート台を想定
  • 距離以上の難度:パー72・6,811ヤードながらスコアが伸びにくい
  • ヒューストン気候:4月は25〜30℃、湿度高め、ガルフ由来の風が影響

注目ホール——パー5と18番の攻略

メモリアルパークには4つのパー5があり、強風時以外は2打目で狙えるセカンドショットエリアが設定されている。LPGAフィールドでもパワーヒッター勢(コルダ、岩井明愛、リディア・コー)にとってはイーグルチャンスになりうる。

一方、18番ホール(パー4・434ヤード)はコースのフィニッシュホールとして最もドラマが起きやすい。2026年は特例で左側に小規模な池(ウォーターハザード)がチャンピオンシップ仕様として設けられた。正式な改修は2027年に完工予定で、恒久的な水景として残る。

ホール別ハイライト

ホールパー距離ポイント
1番4380yフェアウェイ狭くティショット精度試される
8番5500y2打目でグリーンを狙えるイーグル狙い場
14番3165y風読み命の難パー3
17番4340yショートパー4、ドライバーかレイアップか選択
18番4434y2026から左サイドに池、勝敗を分ける

メジャー開催への期待

ヒューストンは米国第4の大都市で、観戦客動員やスポンサー誘致の観点からLPGAシェブロン移転を後押しした要因とされる。メジャー4日間で約10万人規模の動員が見込まれ、LPGAにとっても商業的成功がかかった移転となる。市営コースでのLPGAメジャー開催は全米初の試みで、「ゴルフ愛好家のアクセシビリティ」と「ツアー級のトーナメント設営」を両立したモデルケースとして業界の注目を集めている。

日本のゴルファーの参考に

メモリアルパークGCは一般開放されており、住民は20ドル前後、州外者でも75〜135ドルでラウンドできる。米国旅行のついでに「トム・ドゥーク設計のチャンピオンシップコースを体験したい」というゴルファーには聖地の1つと言える存在だ。ヒューストン国際空港から車で30分、都市型コースならではのアクセスの良さも魅力。