ブライソン・デシャンボーが、LIVゴルフとの新契約交渉が進行中であることを公式に認めた。サウジアラビアの国家投資ファンド(PIF)の投資計画からLIVゴルフが除外されたとの報道が波紋を呼ぶなか、デシャンボーは「LIVゴルフを成功させるために全力を尽くす」と強い意欲を示した。

「契約はまだ交渉中。でも解決策は必ずある」

デシャンボーが2022年6月にLIVゴルフへ電撃移籍した際に結んだ契約は、2026年シーズン終了とともに失効する見通しだ。英メディアでは後継契約の規模が最大5億ドル(約760億円)に達するとも報じられており、ゴルフ界屈指の大型案件として注目されている。

デシャンボーは先週末に行われたLIVゴルフ・メキシコシティの前後、ポッドキャスト番組「Flushing It Golf」のインタビューでこう語った。

「今もポテンシャルな新契約に向けて取り組んでいる。諦めていないし、解決策は必ず見つかると思っている。でも現時点では、今年以降もLIVゴルフが機能し続けるよう全力で取り組むことが私の仕事だ」

PIFの「4年計画」にLIVが含まれず - 財務不安の背景

デシャンボーの発言の背景には、LIVゴルフを取り巻く財務面への懸念がある。サウジアラビアのPIFが公表した4カ年投資戦略の中に、LIVゴルフへの出資が明記されていなかったことが一部で報じられ、リーグの存続自体を危ぶむ声が上がり始めた。英紙テレグラフは「LIV幹部が秘密の緊急会合を開いた」と報道したが、LIVゴルフ側はこれを否定。当該の幹部たちはメキシコシティ大会のプロアマイベントでプレーしていたと説明している。

LIVゴルフのCEOであるスコット・オニールは先週末の声明で「リーグは今シーズンの資金繰りは確保されている」と強調。「我々は猛烈に取り組む」と語り、動揺の沈静化を図った。

デシャンボー LIVゴルフ 2026シーズン
2026シーズンのデシャンボー(写真:Sky Sports)

「若い選手のために戦う責任がある」

デシャンボーは、自身の判断がLIVゴルフに賭けた若い選手たちへの責任感から来ていることも明かした。

「ジョン(ラーム)、フィル(ミケルソン)、DJ(ダスティン・ジョンソン)、そして創設から一緒にやってきた仲間たちは大丈夫だ。でも今は、自分たちを信じてここに来てくれた若い選手たちを守ることが責任だと思っている。それが本当にやっている理由だよ」

デシャンボーが名指しした選手には、マイケル・ラサッソ、ケーレブ・サラット、ホセレ・バジェステール、ダビ・プイグらが含まれる。いずれも若手のLIV選手であり、メジャーツアーでの実績はまだ限られている。

2026年シーズンはLIVで2勝 - 高いポテンシャルは健在

財務問題の陰に隠れがちだが、デシャンボー自身のプレーは今シーズンも好調を維持している。LIVゴルフ2026シーズンでは既に2勝を挙げており、コース上でのパフォーマンスは依然として世界トップレベルだ。マスターズでは2ラウンド目に18番でトリプルボギーを叩いてカットを逃したが、それ以外は安定した成績が続いている。

また、LIVゴルフ側の広報担当は各チームが「自立・収益化」できる形を目指していることを説明。将来的には13フランチャイズ合計で130億ドル(約2兆円)規模のビジネスに育てる計画があるとも述べており、長期的なビジョンは揺らいでいないとしている。

PGAツアーとの融合はあるか

並行して、PGAツアーのCEOが「LIVゴルファーがツアーに戻る道筋を検討している」と発言したことも注目を集めている。仮にLIVゴルフとPGAツアーの間で何らかの合意が成立した場合、デシャンボーはその最大の受益者のひとりとなり得る。2026年終盤に向けて、プロゴルフ界の構図に大きな変化が訪れる可能性は十分にある。