この記事の要点
ティーショットを大きく曲げて「OBかも…」と思ったとき、慌てて打ち直すべきか、それとも探しに行くべきか迷った経験はありませんか。ここで役立つのが暫定球(ざんていきゅう)です。
暫定球は、後ろの組を待たせずプレーをスムーズに進めるための便利なルール。ただし正しい宣言とスコアの数え方を知らないと、せっかく打っても損をしたり、ペナルティーになることもあります。この記事で一度きちんと整理しておきましょう。
暫定球とは、打った球がOB(アウトオブバウンズ)または紛失のおそれがあるときに、元の球を探しに行く前に「念のため」もう一球打っておく球のことです。
もし元の球がOBや見つからなかった場合、この暫定球をそのまま使ってプレーを続けられます。打った場所まで戻る必要がなくなるので、時間を大きく節約できるのが最大のメリットです。逆に元の球がセーフな場所で見つかれば、暫定球は拾い上げて元の球で続けます。
ひとことで言うと:暫定球は「元の球がダメだったときの保険」。打つこと自体は義務ではありませんが、OBや紛失の可能性があるなら積極的に使うと、自分も後ろの組もスムーズに回れます。
暫定球はどんなときでも打てるわけではありません。打てるのは次のケースです。
暫定球を打てる場面
暫定球を打てない場面
球が明らかにペナルティーエリア(池や赤・黄色の杭の区域)に入った場合は、原則として暫定球は打てません。ペナルティーエリアには専用の救済方法があるためです。「池ポチャ」のときは暫定球ではなく、ペナルティーエリアの救済処置を取ります。
判断に迷う「入ったか微妙」な場面では、宣言してから暫定球を打っておくのが安全です。元の球が見つかればノーカウントになるだけなので、打っておいて損はありません。
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楽天でルールブックを見る →暫定球で最も大切なのが「宣言」です。手順に沿って確認しましょう。
球を打つ前に、同伴競技者やキャディに「暫定球を打ちます」と言葉で明確に伝えます。これがないと、その球は「元の球を放棄した打ち直し」とみなされ、元の球が見つかっても使えなくなります。
「もう一球いきます」「打ち直します」といった曖昧な言い方では暫定球と認められないことがあります。必ず「暫定球」という言葉を使ってください。
暫定球には違うブランド・違う番号のボールを使う、油性ペンで印を付けるなどしておくと、後で球を確認するときに混同しません。宣言と球の識別はワンセットです。
暫定球は元の球を打った場所(または近く)から打ちます。ティーショットならティーイングエリアから、フェアウェイからのショットならそのおおよその地点からです。打ったら元の球を探しに進みます。
暫定球で一番つまずきやすいのが打数の数え方です。結果がどうなったかで扱いが変わります。
暫定球が正式な球になり、ストロークと罰打を加えて数えます。ティーショット(1打目)がOBだった例で見てみましょう。
| 打数 | 内容 |
|---|---|
| 1打目 | ティーショット(OB) |
| +1打 | OBの罰打 |
| 3打目 | 暫定球(=これが正式な球) |
| 4打目〜 | 暫定球の地点から続行 |
つまり、暫定球はそのホールの3打目。次のショットは4打目です。「1打目+罰1打+暫定球=3」と覚えましょう。
元の球がコース内のセーフな場所で見つかったら、必ず元の球でプレーを続けます。暫定球の打数は一切カウントしません。たとえ暫定球の方が良い位置にあっても、元の球が使える限り暫定球は選べません。
よくある誤解:「暫定球を打った時点で必ず打数が加算される」と思われがちですが、実際は元の球が使えるかどうかで決まります。OBや紛失が確定したときだけ、暫定球が打数に組み込まれます。
① 宣言せずに打ってしまう
「暫定球」と言わずに打つと打ち直し扱いになり、元の球が見つかっても使えません。最も多い失敗です。
② 元の球を3分以上探す
球を探せる時間は3分まで。3分以内に見つからなければ紛失球となり、暫定球に切り替わります。
③ 良い暫定球を打ちたくて元の球を探さない
ルール上、元の球が見つかればそちらが優先。良い暫定球を活かしたいからと、わざと探さないのは本末転倒です。
④ ペナルティーエリアで暫定球を打つ
池などペナルティーエリアに入った球は暫定球の対象外。専用の救済処置を取りましょう。
OBラインや林までの距離が正確に分かると、無理に攻めるか刻むかの判断がしやすくなり、そもそもOBや紛失を減らせます。レーザー距離計やGPSナビは、スコアメイクとプレー進行の両面で頼れる道具です。
OBを減らすコースマネジメントに:人気の距離計をチェック
業界人Kの視点
暫定球は、ルールの中でも初心者と上級者で差が出るポイントです。私が一緒に回って気になるのは、宣言なしで打ち直す人の多さ。本人は「念のため」のつもりでも、ルール上は元の球を放棄したことになり、後で見つかっても使えません。たった一言「暫定球を打ちます」と添えるだけで、選択肢を残せるのです。実戦では、OBか微妙なら迷わず暫定球を打っておくのが時間管理の鉄則。探しに行ってからカートを戻すのは、後続組への大きな迷惑になります。さらに上を目指すなら、暫定球を打たずに済むよう、OBラインの内側に安全マージンを取るマネジメントを覚えてください。距離計でラインまでの距離を把握し、林に近いホールでは1番手落として確実に置く。これだけでOBは確実に減り、暫定球を打つ場面そのものが少なくなります。