ロサンゼルス郊外のエル・カバレロ・カントリークラブで開催されたLPGAツアー「JMイーグルLA選手権2026(賞金総額475万ドル)」は日本時間4月20日(月)早朝に最終ラウンドが終了。ディフェンディングチャンピオンのイングリッド・リンドブラッド(25・スウェーデン)が通算-21(277)でホールアウトし、LPGAツアー会員としての出場3大会目で手にした初優勝から続くツアー2勝目、見事な連覇を達成した。1打差の2位には新人・岩井千怜(23)が入り、最終18番でボギーを叩いてプレーオフ持ち込みを逃す痛恨の結果となった。

16番バーディで並ぶ岩井千怜——勝利目前の悲劇

最終日の岩井千怜は8バーディ2ボギーの66をマーク、通算-20で首位タイまでスコアを伸ばして勝負所を迎えた。パー5の16番ホールで3打目を絶妙に寄せてバーディを奪い、リンドブラッドと並んでの通算-21。残り2ホールでツアー初優勝の大きなチャンスをつかんだ。

17番は冷静にパーセーブ。勝負の分かれ目となった最終18番、岩井は痛恨のドライバーミスに見舞われる。右のバンカー越えのラフに打ち込んでしまい、そこから150ヤードの第2打を9アイアンで打つと、ボールはピンの近くにバウンドしたもののグリーン奥にこぼれる。

そこから下り傾斜のラフという難しいライから、アプローチはカップを大きくオーバー。戻しのパットを外して痛恨のボギー——。通算-20でフィニッシュし、わずか1打差でツアー初優勝を逃した。

岩井千怜がJMイーグルLA選手権2026最終日に18番ボギーで2位
勝負の最終18番で難しいライに苦しんだ場面(写真:LPGA)

リンドブラッド「バーディは要らない、パーで十分だった」

連覇を達成したリンドブラッドは最終日4アンダー68。6個のバーディを奪い、パー5の11番ホールで最後のバーディを決めた後は、残り7ホールを全てパーで切り抜ける安定感あるゴルフを披露した。

特に勝敗を分けた最終18番のプレーは圧巻だった。ティショットをフェアウェイ左サイドに正確に運び、第2打を安全にグリーン中央のオン。2パットでパーセーブし、岩井のボギーを見届けて勝利を確信した。

「最後の数ホールは『バーディを取りに行くんじゃなく、パーで十分』と自分に言い聞かせていた。チアニが一緒にバーディ合戦になっていたら、ミスが出ていたかもしれない」とリンドブラッド。LSU出身の元カレッジスター時代から、「ビッグゲームに強い」と評されてきた彼女のメンタルが如実に出た一戦だった。

賞金総額475万ドル——リンドブラッドは$712,500を獲得

今大会は大会スポンサーのJMイーグル会長兼CEO、ウォルター・ワン氏が直前に賞金総額を100万ドル引き上げ、475万ドル(約7.2億円)に増額。メジャーと年末の最終戦CMEグループ・ツアー選手権を除き、LPGAツアーで最高額の賞金となった。

優勝したリンドブラッドの賞金は71万2,500ドル(約1億750万円)、2位の岩井千怜は44万1,500ドル(約6,700万円)を手にした。岩井にとっては悔しい結末ながらも、LPGAツアーでのキャリアを着実に積み上げる結果となった。

JMイーグルLA選手権2026 最終リーダーボード(上位抜粋)

順位 選手名 最終R 通算
1位 イングリッド・リンドブラッド 68 -21(277)
2位 岩井千怜 66 -20(278)
T3 キム・セヨン 72 -17
T3 岩井明愛 69 -17
5位 ユ・ヘラン 68 -16
T6 西郷真央 67 -15

岩井姉妹そろって上位フィニッシュ——双子対決の行方

今大会で注目を集めたのが、双子の岩井姉妹のLA決戦だった。第3ラウンドを首位で迎えた姉・千怜が最終日に6バーディの66で猛チャージし2位、妹・明愛も通算-17で3位タイに食い込んだ。LPGAルーキーシーズンを送る姉妹の勢いは本物で、次週以降のメジャー戦線にも大きな期待がかかる。

両者ともに世界ランキング10位以内に入る実力を持ち、日本勢がLPGAのトップ集団を牽引している現状を印象付けた。特に千怜はプレーオフに持ち込めなかったものの、最終日66のスコアで2位に上り詰めた底力は見る者を唸らせた。

西郷真央6位タイ、山下美夢有は出場せず——シェブロン選手権に直結

今大会は4月23日から開幕するLPGA今季初メジャー「シェブロン選手権2026」(テキサス州メモリアルパーク)の直前試合として位置付けられ、多くの日本人選手が出場。西郷真央は最終日67で通算-15の6位タイに入り、メジャーウィーク直前のコンディション調整に成功した。

一方、世界ランキング6位の山下美夢有は本大会を欠場し、シェブロン選手権に備える形を取った。メジャー初制覇を狙う山下、連覇のかかる西郷、そしてこの勢いを持ち込む岩井姉妹——日本勢の動向にも注目が集まる。

リンドブラッド「昨年の優勝を取り戻せた」

リンドブラッドにとって今大会の連覇は、2025年シーズンを振り返ると感慨深いものだった。LPGAルーキーとしてLA選手権で衝撃のデビューウィン後、ドライバーの不調に陥って長いスランプを経験。特に飛距離の低下に苦しんでいたが、オフシーズンにスイング改造と体幹強化に取り組み、今大会で見事に復活を果たした形だ。

「1年前、まさかここで勝てるとは思わなかった。昨年のうちに『私は本当にLPGAで戦えるのか?』と悩んだ時期もあった。今日の勝利は自分を取り戻したような感覚」とコメント。6アンダー以上を3ラウンドで記録した安定感は、完全復活を裏付けるものだった。

次週はLPGA今季初メジャー・シェブロン選手権

LPGAツアーは次週、いよいよ今季初のメジャー大会「シェブロン選手権」(4/23〜26、メモリアルパークGC)が開幕。西郷真央の連覇に加え、リンドブラッドの勢い、岩井千怜の雪辱、山下美夢有のメジャー初V——ストーリーが多層的に絡む4日間になる。賞金総額は800万ドル(約12億円)にアップし、ジーノ・ティティクルらトップランカーも参戦する。