英R&AとAIGは4月28日(日本時間29日未明)、2026年AIG女子オープンの賞金総額を過去最高の1,000万ドル(約15億円)に引き上げると正式発表した。優勝賞金は150万ドル(約2.25億円)に更新され、女子ゴルフ史上最大級の単一大会賞金規模となる。大会創設50周年のメモリアルイヤーに、開催コースはロイヤル・リザム&セント・アンズ(英国・ランカシャー)。会期は2026年7月29日〜8月2日、テレビ中継時間は前年比20%増の34時間に拡大される。

賞金1,000万ドルの内訳:6年連続の引き上げ

R&Aの公式発表によると、2026年AIG女子オープンの賞金総額は1,000万ドル。前年(2025年)の975万ドルから+250万ドル(約3.75億円)の上乗せとなり、2019年のAIG冠スポンサー就任以降、6年連続で増額を実現した形だ。優勝賞金は150万ドルに達し、これは女子ゴルフメジャー史上、KPMG女子PGA選手権・全米女子オープン(いずれも前年1,200万ドル)に次ぐ規模となる。

R&AのCEOマーク・ダーボン氏は記者会見で「6年連続の賞金増は、私たちR&AとAIGが本選手権を世界規模で押し上げる決意を示している」と発言。一方で「冠大会としてのAIG女子オープンは、現時点で収益面では赤字だが、女子ゴルフの普及・発展のためには長期投資の段階」と本音も覗かせた。

項目詳細
大会名第50回 AIG女子オープン
開催地ロイヤル・リザム&セント・アンズGC(英ランカシャー)
会期2026年7月29日〜8月2日(5日間)
賞金総額1,000万ドル(約15億円)
優勝賞金150万ドル(約2.25億円)
前年比増額+250万ドル(+25.6%)
テレビ中継時間34時間(前年比+20%)
ロイヤル・リザム&セント・アンズ ゴルフクラブ 18番ホール 全英オープン 2012 リンクス コース 英国 ランカシャー
2026年大会の舞台ロイヤル・リザム&セント・アンズ。リンクスの名門コース(写真:Golf.com経由)

50周年の歴史:500ユーロから始まった偉大な挑戦

AIG女子オープンは1976年に「ウィメンズ・ブリティッシュ・オープン」として誕生。初年度の賞金総額はわずか500ユーロ(約7.5万円)からスタートした。その後、徐々に規模を拡大。前回ロイヤル・リザムで開催された2018年は325万ドルだったが、AIGが冠スポンサーとなった2019年以降の7年で約3倍に膨張。今大会の1,000万ドルは、まさに女子ゴルフ商業価値の拡大を象徴する数字と言える。

これに先立ち2026年の女子メジャーは、シェブロン選手権が開幕直前に賞金を800万ドル→900万ドルへと電撃増額。続く全米女子オープン(USGA)、KPMG女子PGA、エビアン選手権、AIG女子オープンと、すべてのメジャーが賞金引き上げ競争を繰り広げており、女子ゴルフ全体の「メジャー賞金インフレ」がこの春のトレンドとなっている。

ロイヤル・リザム選定の意義:8年ぶり再訪と日本人選手の機会

ロイヤル・リザム&セント・アンズGCは、男子全英オープンを11回開催してきた英国屈指のリンクス。AIG女子オープンとしては2018年以来8年ぶり、通算3度目の開催地となる。2018年大会では、ジョージア・ホール(英)が地元優勝を飾った思い出深いコース。海風と167個に及ぶポット・バンカーが選手を試す難コースとして知られる。

日本人選手にとっても重要な舞台。山下美夢有は2024年大会で日本人初のAIG女子オープン優勝を達成しており、2026年大会のディフェンディング・チャンピオンに次ぐ立場として、リンクス適性を発揮できるかが注目される。岩井明愛・千怜の双子コンビ、笹生優花、西郷真央らも出場権獲得が確実視されており、日本勢上位入賞のチャンスは十分にある。

ネリー・コルダ シェブロン選手権 2026 LPGA メジャー 優勝 全英女子 AIG女子オープン 出場予定
シェブロン選手権を制した世界1位ネリー・コルダもAIG女子オープン参戦見込み(写真:Golf.com経由)

テレビ中継34時間の戦略:女子ゴルフ「一大コンテンツ化」

もう一つの注目ポイントはテレビ中継時間の大幅拡大。R&Aは初日・2日目に「アーリー・ウィンドウ(午前9時〜午後1時BST)」を新設し、有力ペアのスタートホールから完全中継する。週末は1日7時間の中継、4日間トータルで34時間(前年比+20%)に達し、英米の女子ゴルフ大会としては史上最長のオンエア量となる。

これは女子LPGAツアー全般のテレビ露出が「男子比5割未満」という長年の課題への、R&A側からの明確な回答と位置付けられる。AIG会長兼CEOピーター・ザフィーノ氏は「放送時間の拡大は世界中のファンに女子ゴルフを届けるという、AIGの企業価値そのもの」とコメントを寄せた。

男子メジャーとの比較:賞金格差はまだ大きいが急速に縮小

男子メジャーと比較すると、2025年の最高賞金は全米オープンの2,150万ドル、最低でも全英オープンの1,700万ドル。女子メジャーは依然として男子の約半分以下の水準にあるが、ここ5年でその格差は急速に縮小している。シェブロン選手権・AIG女子オープンの2026年同時増額は、女子ゴルフ全体の「価値の再評価フェーズ」を象徴する動きと言えるだろう。

2027年・2028年のロードマップも判明

R&Aは同時に、2028年AIG女子オープンの開催地をサニングデール(英バークシャー)に決定したと発表。2028年大会は2008年以来20年ぶりのサニングデール開催となる。2027年の開催地は近日中に発表される予定で、女子メジャー大会としては珍しい「3年連続の中長期ロードマップ」を提示した形だ。

まとめ:女子ゴルフ「黄金期」の象徴的なメジャー

AIG女子オープン2026の賞金1,000万ドルは、単なる数字以上の意味を持つ。50周年というメモリアル、優勝150万ドル、テレビ中継34時間、リンクスの名門ロイヤル・リザム——4つの要素が交差する今大会は、女子ゴルフが新たなフェーズに入ったことを示す象徴的な大会となる。世界ランク1位ネリー・コルダのV3挑戦、ディフェンディング・チャンピオンのリベンジ、日本勢の山下・岩井・笹生・西郷らメジャー獲得への新章——CryptoGolfClubは7月29日の開幕から、最終日まで完全密着でお届けする。