松山英樹(34・日本/レクサス)が2026年シーズンを絶好調の滑り出しでスタートさせている。開幕戦「セントリー」(1月・カパルア)でPGAツアー72ホール歴代最小スコア35アンダー(257)を叩き出して優勝、通算11勝目。直近では「ザ・プレーヤーズ選手権」15位、「マスターズ」でも上位争い(最終14位)と、安定感と破壊力を両立。5月14〜17日のPGAチャンピオンシップ(ペンシルベニア州アロニミンクGC)での2個目のメジャータイトル獲得へ、万全の状態で向かう。
セントリー優勝:歴代記録35アンダー257の衝撃
1月のセントリー最終日、松山は8アンダー65をマーク。4日間で最終日7番パー4のボギー1個のみというほぼノーミスの内容で、2位コリン・モリカワに3打差をつけて優勝した。通算35アンダー(257)は——
- PGAツアー72ホール歴代最小スコア(対パー)
- 従来の記録は2022年のキャメロン・スミス(34アンダー、同じくセントリー)
- 優勝賞金360万ドル(約5億4千万円)
- 松山は試合週にパター4本を持参してカパルア入り、最終日はマレット型を投入という徹底した準備
ゴルフダイジェストが「Hideki arrived in Maui with 4 putters — he might leave with a record」と報じた通り、細部へのこだわりが見事に結実した一戦だった。
2026年シーズンの成績サマリー
| 大会 | 開催地 | 結果 |
|---|---|---|
| セントリー | カパルア(ハワイ) | 優勝(35アンダー/新記録) |
| WM フェニックス・オープン | スコッツデール | 15位 |
| ジェネシス招待 | ペブルビーチ暫定 | T10(10位タイ) |
| アーノルド・パーマー招待 | ベイヒル | T28 |
| ザ・プレーヤーズ選手権 | TPCソーグラス | T15 |
| ヴァルスパー選手権 | コッパーヘッド | T18 |
| マスターズ | オーガスタ | 14位 |
| RBCヘリテージ | ハーバータウン | T22 |
世界ランキングは15位(ツアー参戦開始以来の安定水準)。OWGR上位30位以内で迎えるメジャーは、松山にとって最も結果が出やすいゾーン。2021年マスターズ優勝時もシーズン中盤のランクは15〜20位だった。
好調の理由:アイアン精度とショートゲームの融合
1. アイアン精度(SG:APP)ツアー4位
松山の代名詞であるアイアン精度はさらに進化。2026年シーズンのショットリンク「ストロークゲインド・アプローチ」はPGAツアー4位(+0.95/ラウンド)。特に150〜175ヤードの距離ではツアー1位の精度を記録している。アロニミンクはパー70・7,299ヤードの「ショットメーカー向け」セットアップで、アイアンが効くプレーヤーに圧倒的に有利。
2. パッティングの改善(昨年のウィークポイント克服)
松山の長年の課題だった5〜10フィートのパットの決定率が、2026年は昨年比+4.5%向上。シーズン前にアーロン・シミングトンコーチとの連携を強化し、ストローク軌道を見直した成果とされる。
3. フィジカル面の安定
2022年から悩まされた首のコンディション問題は、2025年後半から安定。自身でも「1日36ホール回ってもダメージが残らない」とコメントしており、メジャー週の長い1日にも耐える体作りができている。
アロニミンクGCは松山に向いているか?
PGAチャンピオンシップ2026の舞台「アロニミンク・ゴルフクラブ」(Donald Ross設計・1928年開場)は、フェアウェイこそ狭くはないが、グリーンが硬く速く、傾斜が複雑。「飛距離よりも正確性」を求める古典的パークランドコースだ。2020年BMWチャンピオンシップではジョン・ラームが優勝した実績がある。松山の——
- フェアウェイキープ率(ツアー18位)
- グリーンイン率(ツアー2位)
- 距離感の正確なアイアンショット
——は、このタイプのコースと高い親和性がある。メジャーチャンピオンシップでショットメーカーが優勝する大会になる可能性は高く、松山のチャンスは大きい。
日本人2人目のメジャー制覇なるか
松山が2021年マスターズで史上初の日本人男子メジャー制覇を達成してから5年。その後、メジャーでは惜敗と上位フィニッシュを繰り返しながらも、「2個目」には届いていない。本人は昨年の記者会見で「メジャーはまだまだ挑戦者」と語っており、2026年のアロニミンクが2個目のメジャー獲得への最大のチャンスと目されている。
5月までの予定
- 4月24〜27日:ズリッヒクラシック(チーム戦・パートナー未発表)※出場未確定
- 5月1〜4日:CJカップ・バイロン・ネルソン
- 5月7〜10日:トラベラーズ前の最終調整
- 5月14〜17日:PGAチャンピオンシップ(アロニミンクGC)
まとめ:歴史をもう一度
記録的スコアでシーズンを開幕し、メジャーで惜敗続きだった過去から1段進化した松山。2026年は「歴史を作る年」になる可能性が高い。日本中のゴルフファンが、5月のアロニミンクで、再び松山の18番グリーンを見守ることになりそうだ。