マスターズ2026でロリー・マキロイに1打差の準優勝に終わったスコッティ・シェフラー(世界ランク1位)が、オーガスタ・ナショナルの“コースコンディション管理”に率直な不満を口にした。木曜日は硬く速いグリーンに苦しみながら2アンダー70でしのいだが、自分と同じ午後組が迎えた金曜午後、グリーンは一変。朝早くスタートした選手たちは硬いコースで苦戦した一方、シェフラーがスタートする頃にはコースが水撒きで柔らかくなり、バーディ量産が可能な“別のオーガスタ”と化していたという。
「もう少しフェアに揃えてほしかった」——シェフラーの直球コメント
木曜日、シェフラーは午後遅いスタートで、乾いた超高速グリーンと強風のなか2アンダー70を死守。金曜も同じ条件が続くと想定していた。「午後に入ってすごく軟らかくなっていたことには正直驚いた。木・金をもう少し均等な硬さに揃えてくれていたら、と思う」とシェフラーはFox Newsなどの取材に応じた。
「グリーンに何らかの手を入れて軟化させたのだろう。その恩恵を金曜午前の自分たちは享受できず、マキロイやキャメロン・ヤングを含む金曜午後組がバーディを量産した」とした。結果、マキロイはムービングデーにつながる好スコアで主導権を握り、最終日にシェフラーの追撃を1打差で振り切った。
なぜグリーンは軟らかくなったのか?
オーガスタ・ナショナルのグリーンキーピングは“世界最高水準”として知られるが、マスターズウィークでは風向・湿度・朝露に応じて夜間のシリンジング(水撒き)量を微調整する。特に強風でグリーンが乾きすぎるとボールが止まらなくなるため、プレーアブル性を保つために水量を増やすのが常套手段だ。
ただし、この運用が朝のウェーブ(早い組)と午後のウェーブで大きな差を生む日があるのも事実。シェフラーが指摘した金曜午後の“軟化”は、オーガスタ特有の運命的な2デー・ジンクスとして、歴代覇者も言及してきた現象である。
マスターズ2026・スコアで見る“コース条件の差”
具体的にどれほどの差が出たのか、シェフラーと同じ金曜午前組の選手と、午後組の選手のラウンド1→2のスコア変動を比較する。
| 選手 | R1スタート | R2スタート | R1→R2 |
|---|---|---|---|
| R.マキロイ | 木曜午後 | 金曜午後 | 70→66(-4好転) |
| S.シェフラー | 木曜午後 | 金曜午前 | 70→71(+1悪化) |
| C.ヤング | 木曜午後 | 金曜午後 | 72→67(-5好転) |
| J.ローズ | 木曜午前 | 金曜午後 | 65→71(+6悪化) |
オーガスタが“抽選運”を生む背景
マスターズは木・金曜のみ、第1ラウンド午前スタートの選手が第2ラウンドは午後、第1ラウンド午後スタートの選手が第2ラウンドは午前となるローテーション方式を採用している。風・湿度・グリーンの乾き具合で午前と午後のスコア分布に2〜3打差がつくのは毎年の傾向で、シェフラーは今回その“悪い方”を引いた形だ。
一方、マキロイは木曜午後スタートの好ウェーブを引き、金曜午後に軟化したグリーンを攻略。この“抽選運”がマスターズ連覇を後押ししたと言える。シェフラーの発言は、トップ選手として“運任せでは済ませたくない”という苦みの表れでもある。
今後の展望——5月US PGA選手権で捲土重来へ
シェフラーは続く4月16〜19日のRBCヘリテージでも最終日にマット・フィッツパトリックに僅差負けし、2週連続の惜敗。4月23〜26日のチューリッヒクラシック・ニューオーリンズにはエントリーしていないとみられ、次の大舞台は5月のPGAチャンピオンシップ(アロニミンクGC)となる見込みだ。
「結果論になっても仕方ないが、グリーンがもう少しフェアだったらと思わずにはいられない」(シェフラー)。世界ランク1位の悔しさがマスターズの運命を雄弁に語る。