世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(29・米国)が、2週連続でプレーオフに持ち込みながら勝ちきれず、悔しさを噛みしめている。4月13日のマスターズではロリー・マキロイに1打差のサドンデス敗退。続く4月20日(日本時間)のRBCヘリテージでは、18番ホールの18フィートからバーディを沈めたマット・フィッツパトリックに敗北。王者を苦しめる“ショットここ一発”の重みが問われている。
敗戦の一打——フィッツパトリックの“4番アイアン劇的バーディ”
プレーオフ1ホール目、ハーバータウン・ゴルフリンクスの名物18番パー4。追い風ながら強い左からのクロスウインドに苦しみながら、両者ともセカンドショットをグリーンオン。先にパットを打ったシェフラーは15フィートのバーディパットを惜しくも外し、パー止まり。続いてフィッツパトリックが4番アイアンから13フィートに寄せ、バーディで沈め込み。5フィート先のカップを狙ったパットは強烈な風の中、完璧な軌道でカップに吸い込まれた。
「プレーオフ1ホールで打ち合いになるのは、ゴルフの醍醐味。ただ、“あと一歩”が2週続くのは精神的に堪える」とシェフラーは淡々と敗因を振り返った。
マスターズ→RBC——数字で見る“惜敗の連鎖”
まず4月13日のマスターズでは、最終ラウンドの前半で5打差をひっくり返す追い上げを見せたが、マキロイの歴史的連覇を1打差で許した形に。続く4月20日のRBCヘリテージでは、ムービングデー(第3R)の「ボギーフリー」パフォーマンスで4位から単独2位まで浮上し、最終R途中で首位に立つ場面もあった。
「両週とも、週末から自分のゴルフを取り戻した。ただ、その粘りを木・金から出せていれば、プレーオフに行かずに優勝できていた」(シェフラー)
シェフラー 2026年4月の成績推移
| 大会 | 結果 | ラウンド別 | フィニッシュ |
|---|---|---|---|
| マスターズ | 2位(プレーオフ敗) | 71-72-67-68 | -8 |
| RBCヘリテージ | 2位(プレーオフ敗) | 70-69-65-67 | -13 |
ギャラリーのマナー問題——シェフラー「静かに観てほしかった」
プレーオフ後の会見で、シェフラーはハーバータウンのギャラリーが一部見せた“過剰な応援”について、冷静ながらも違和感を滲ませた。「プレーオフのティーショットで声が入ったり、バックスイング中に叫ぶ人が結構いた。ゴルフはある程度の静寂のなかで行われるべきだ」と語った。
現地米メディアは「ファンはシェフラーを応援したつもりでも、集中を乱される側の気持ちに配慮すべき」と報じており、PGAツアー側もギャラリー対応の強化を検討しているとされる。
シェフラーの今後——ズーリッヒ欠場、PGAチャンピオンシップへ直行
シェフラーは、連戦の疲労を考慮し、4月23日開幕のズーリッヒクラシックは欠場。続くシグネチャーイベントの「トラベラーズ選手権」も一旦見送り、5月14日開幕のPGAチャンピオンシップ(アロニミンク)に照準を合わせる。
「いまの形を続ければ、メジャーは必ず獲れる。焦らず、質の高い準備を積み重ねる」(シェフラー)
世界ランキング——マキロイが射程圏内
シェフラーは依然として世界ランキング1位を維持しているが、マスターズ連覇のマキロイとのポイント差は縮まり続け、現時点で1.85ポイント差まで接近。シェフラーがPGAチャンピオンシップで未勝利に終われば、ランキング1位が入れ替わる可能性も出てきた。
2週連続のプレーオフ敗退は苦しい結果だが、週末のボギーフリーパフォーマンス、バック9でのバーディ連打など、復調の兆しは随所に見られる。メジャー連戦が始まる5月に向け、“ショットここ一発”を磨き直せるか、世界一のゴルフは今まさに真価を問われている。