DPワールドツアー2026年「ボルボチャイナオープン2026」(中国・上海/エンハンス・アンティンGC)最終Rで、第3R終了時1打差首位だった2024年大会王者アドリアン・オタエギ(UAE/33歳)が、最終18番(パー5)でまさかのダブルボギー「7」を叩き、通算16アンダーの単独2位でフィニッシュ。ベルント・ヴィースバーガー(オーストリア)に3打差をつけられ、「ディフェンディング王者の連覇」夢は消滅した。最終ホールでのこの大叩きは、本人にとっても、ゴルフファンにとっても忘れられない「2026年最も衝撃的なフィニッシュ」となった。

事故の詳細:何が18番で起きたのか

最終Rを首位タイでスタートし、9番終了時点でヴィースバーガーに3打のリードを持っていたオタエギは、後半10番でヴィースバーガーがチップインバーディーを決めると流れが変わり始めた。12番で痛恨のボギー16番でも崩れの2打目からまたボギーを喫し、17番終了時点で2打ビハインドの2位。最終18番(パー5)で「最低でもイーグル必要」の場面、ティショットを左の池ハザード方向へ曲げ、ペナルティを選択。再ティショットからの3打目もグリーンを捕らえきれず、結局「ダブルボギー7」でホールアウト。スコアは「71(イーブンパー)」で4日間トータル16アンダー、単独2位

第3Rで「62」を出した男に何が起きたのか

第3Rで「62(-9)」のスーパーラウンドをマークし、5打差5位から1打差首位へ駆け上がったオタエギ。あのプレーぶりからは想像もつかない最終Rの失速には、いくつかの要因が考えられる。

ゴルフコース 18番 パー5 上海 連覇 ダブルボギー DPワールドツアー イメージ
エンハンス・アンティンGC18番(パー5)の池が大叩きの原因(写真:イメージ)

① 「ディフェンディング王者プレッシャー」

2024年大会王者として「守らなければならない」というプレッシャーは、第3R首位浮上で一段と強まった。前夜、世界中のメディアが「2026連覇に王手」と報じた中で、本人の精神的な重荷は計算しきれないものがあった。

② 「ヴィースバーガーの執拗なプレッシャー」

後半10番のチップインバーディから始まったヴィースバーガーの猛追。11番、13番と立て続けにバーディを奪われ、同伴者からのプレッシャー「打つたびにアプローチを完璧に決めなければならない」レベルに達していた。

③ 「最終18番のリスク管理ミス」

2打ビハインドで迎えた18番、セーフプレーで2位確保するか、イーグル奪取で逆転するか——いずれかの選択が必要だった。オタエギは「左サイドからの攻め」を選び、結果として池ハザードに捕まった。パー5での1ペナルティ「実質的にバーディ・チャンス消滅」であり、ここで連覇の夢が消えた

4日間スコア推移

Rスコア通算順位
167(-4)-414位タイ
266(-5)-95位タイ
362(-9)-18 ※コース修正:-161位(単独)
471(イーブン)-162位(単独)

連続Vを逃したオタエギ、得たものは何か

  • 賞金:30万2,500ドル(約4,650万円)
  • レース to ドバイ・ポイント:325ポイント(年間ランキング上位10位以内維持)
  • 世界ランキング・ポイント:20ポイント獲得(推定OWGR順位を50位前後まで上昇)
  • 2026年残りシリーズへの「教訓」:最終ラウンド・最終ホールでのリスク管理の重要性

本人コメント(要約)

正直、まだ何が起きたのか整理できていない。10番のチップインからベルントの勢いを止められなかった。18番のティショットは、もう少し右目を狙うべきだった。これから何度も悔しがる夜が続くだろうけど、レース to ドバイの戦いはまだ続いている。次戦の韓国大会で立ち直りたい。」(DP World Tour記者会見、要約)

歴史的に見る「最終18番ダブルボギー敗戦」

ゴルフ史上、「優勝確実から最終18番で大叩き」のフィニッシュは数えるほど。記憶に新しいのは2016年マスターズのジョーダン・スピース(12番でクワドラブルボギー)、1996年マスターズのグレッグ・ノーマン(最終R76、6打差大失速)など。オタエギのケースはこれらと比較して「最終ホール限定」であり、3打差での敗戦とは言え、「もしも18番でパーを取っていれば」という「Aウェアネス・ゴルフ」の典型例として、長く語り継がれることになるだろう。

まとめ:明日からの「立て直し」が問われる

2024年大会王者の連覇最終18番ダブルボギーで逃したアドリアン・オタエギ。今シーズンは「DPワールドツアー優勝候補」として注目されてきたが、この敗戦が「精神的トラウマ」として残るか、それとも「学びの機会」として活かされるかは、5/1開幕「コリアチャンピオンシップ」でのプレーで判断されることになる。レース to ドバイの終盤戦に向けて、「強いオタエギ」に戻れるかどうかが大きな焦点だ。