スペインのジョン・ラームがDPワールドツアーとの長期対立に終止符を打った。2024年以降に蓄積した未払い罰金(約300万ドル=約4億5000万円)を完済し、2027年ライダーカップ(アデア・マナー開催)への出場資格を正式に回復した。

合意の核心——条件付き参戦と罰金完済

DPワールドツアーの公式声明によると、ラームは2024年からの全未払い罰金を支払うことに同意。その見返りとして、2026年シーズン残りのLIVゴルフ大会への「条件付き出場許可」を獲得した。また、2026年中にマジョーのDPワールドツアー戦(メジャーを除く)に参戦する義務も負う。

ツアーの広報担当は「DPワールドツアーとジョン・ラームは、2026年シーズン残りのLIVゴルフにおけるコンフリクト大会への条件付き出場許可について合意に達しました。内容は2024年以降の全未払い罰金の支払い、および2026年の残り期間中における合意済みDPワールドツアー戦への出場です」と発表した。

合意の主なポイント
・2024年以降の全未払い罰金(約300万ドル)を完済
・2026年シーズン残りのLIVゴルフ戦への条件付き出場許可取得
・2026年中にマジョー以外のDPワールドツアー戦に参戦義務
・来週の全米プロゴルフ選手権からレース・トゥ・ドバイポイント獲得が可能に

ライダーカップ2027への道が開けた

今回の和解で最も注目されるのは、2027年ライダーカップの出場資格回復だ。大会は2027年9月17日〜19日にアイルランドのアデア・マナーで開催予定。ラームは今回の条件を守り続け、2026・2027年のメンバーシップを維持すれば、欧州チームの一員としてプレーできる可能性がある。

ラームは昨年(2025年)のライダーカップ・ベスページ・ブラック大会でも欧州代表として出場し、ティレル・ハットンとのペアをはじめ活躍。欧州の勝利に貢献していた。今回の合意により、2027年大会でも"ヨーロッパの柱"として参戦する道が現実となった。

長引いた対立——LIV移籍から2年半

ラームは2023年12月にLIVゴルフへ移籍(契約額は約3億ドルと報じられている)。その後、DPワールドツアーからLIV参戦を理由とした罰金が科され続けた。2025年のライダーカップ出場時はまだ罰金の控訴中だったため参加が認められていたが、2026年2月にツアー側が8名のLIV選手に和解オファーを提示した際、ラームは唯一これを断った経緯がある。

その後2026年3月、ラームは罰金への控訴を取り下げると発表。「控訴は取り下げるが、本来出場したことのない大会を欠場したことへの罰金には今も納得していない」と複数のメディアに語っていた。そして今回、残金を全額支払うことで最終決着を迎えた形だ。

来週の全米プロから"ダブルキャリア"がスタート

実務面では、来週5月14日からアロニミンク・ゴルフクラブ(ペンシルベニア州)で開催される全米プロゴルフ選手権から、ラームのレース・トゥ・ドバイポイント獲得が正式に可能となる。LIVゴルフでの戦績とDPワールドツアーでの成績を並行して積み重ねるという異例の二刀流キャリアが幕を開ける。

ラームの代理人は「ジョンは常に欧州チームのためにプレーしたいという気持ちを持っており、今回の合意はそのゴールに向けた重要な一歩だ」とコメントした。

LIVゴルフ全体への影響は?

ラームの和解は、LIVゴルフ選手とツアーとの関係が新たな段階に入ったことを示している。ブライソン・デシャンボーなど他のLIV選手も欧州ツアーやPGAツアーとの関係再構築を模索しており、ゴルフ界の"統一"に向けた動きが一歩ずつ前進しつつある。

一方、LIVゴルフ側はDucera Partnersという投資銀行を顧問に起用し、サウジアラビアのPIF(公共投資ファンド)に依存しない多角的な資本戦略を模索中であることも先週発表された。ラームの去就も含め、2026年下半期のゴルフ界の動向から目が離せない。

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