スコッティ・シェフラーが連覇に挑む第108回PGA選手権。36ホールを終えて共同首位のマベリック・マクニーリーとアレックス・スモーレーから2打差の2アンダーで迎える決戦の土曜日——。「史上最も混戦」と呼ばれるリーダーボード、物議を醸す難セッティング、そして松山英樹の優勝圏内浮上と、見どころが凝縮された第3ラウンドを徹底展望する。
36ホール終了 現在のリーダーボード
| 順位 | 選手名 | 国籍 | R1 | R2 | 通算 |
|---|---|---|---|---|---|
| T1 | マベリック・マクニーリー | 米国 | 69 | 67 | -4 |
| T1 | アレックス・スモーレー | 米国 | 67 | 69 | -4 |
| T3 | 松山 英樹 | 日本 | 69 | 67 | -3 |
| T3 | クリス・ゴテラップ | 米国 | - | - | -3 |
| T3 | ミンウー・リー | 豪州 | 67 | 70 | -3 |
| T3 | アルドリッチ・ポトギーター | 南ア | 67 | 70 | -3 |
| T3 | ステファン・イェーガー | 独 | 67 | 70 | -3 |
| T3 | マックス・グレイサーマン | 米国 | - | - | -3 |
| T9 | スコッティ・シェフラー | 米国 | 67 | 71 | -2 |
| T9 | キャメロン・ヤング | 米国 | - | - | -2 |
| T9 | ジャスティン・トーマス | 米国 | - | - | -2 |
| T9 | ルドヴィグ・オーベリ | スウェーデン | - | - | -2 |
| - | ロリー・マキロイ | 北ア | 69 | 67 | -1 |
| - | 久常 涼 | 日本 | 67 | E | -3→-3に戻し |
※通算スコアは2ラウンド終了時点。久常涼は初日67で首位タイも、第2ラウンドは3オーバーで後退。
シェフラーとマキロイが「非常識なピン」を痛烈批判
第2ラウンドで最も話題をさらったのは、コースセッティングへの強烈な批判だ。
昨年の覇者シェフラーは、第2ラウンドのピン位置について「PGAツアーに参戦してから経験した中で最も過酷なピン設定だ」と断言。「正直、少し非常識(kind of absurd)だ」とまで言い切った。昨年マスターズ連覇を達成したロリー・マキロイも「あのセッティングでは、プレーが楽しくない」と同調している。
「あれはPGAツアーで見た中で最も難しいピン位置だった。きわめて難しいのはいいが、少し非常識すぎる。ある時点で、バーディを取れるチャンスを全員から奪ってしまう」
第2ラウンドの平均スコアは73.5と高止まりしており、批判にも一定の根拠があることを数字が裏付ける。第3ラウンドでPGA側がセッティングを修正するかどうかが、週末の大きな焦点のひとつだ。
「生涯でこんなリーダーボードは見たことがない」——史上最密集の大混戦
ジャスティン・トーマスが第2ラウンド後に残した言葉が、この大会の異常な混戦ぶりを物語っている。
「正直、生涯でこんなリーダーボードは見たことがない。こんなに僅差で選手が密集しているのは前例がないんじゃないか」——。
36ホール終了時点で首位から6打差以内に 58選手 がひしめき合う状況は、PGA選手権108年の歴史で最多となる記録。首位の4アンダーから、イーブンパー前後の選手まで全員に優勝の可能性が残る、まさに前代未聞の展開だ。
この混戦をもたらした要因はコースの難しさだ。アロニミンクGCは1928年の設計以来初となるメジャー開催で、難風と硬いグリーン、厳しいラフが高スコアをはじき続けている。4アンダーが首位という数字は、現代のメジャーとしては異例の低スコア合戦だ。
シェフラーの連覇シナリオ——2打差は「圧倒的に有利」
世界ランク1位のシェフラーは、ピン設定への不満を口にしながらも第2ラウンドを1オーバー71でホールアウト。通算2アンダーで首位から2打差という位置で土曜日を迎える。
シェフラーにとって今大会の連覇達成は、ジャック・ニクラウス(1974-75年)以来となる快挙。ただし第2ラウンドに3つのボギーを喫し、前半は「ピン設定のせいで攻めるゴルフができなかった」と分析する。
それでも、混戦の中での2打差は決して大きなビハインドではない。58人が6打差以内に集まるこの大会では、3バーディを奪えば首位と並ぶ計算だ。「自分のゴルフに集中するだけ。このリーダーボードなら土曜日に1ラウンドで誰でも首位に立てる」と強気の姿勢を崩していない。
松山英樹、3位タイで週末へ——第2ラウンド67が光る
日本のゴルフファンにとって最大の朗報は、松山英樹が通算3アンダーで3位タイに浮上したことだ。第2ラウンドは5バーディ、2ボギーの67を記録し、首位と1打差まで迫った。
松山は2021年マスターズ制覇以来のメジャー優勝を狙う最高の位置につけている。長いパットが沈まず悔しい場面もあったが、フェアウェイキープ率は高く、終始安定したゴルフを展開した。
「松山選手が3位にいるなんて信じられない!第3ラウンドも一打一打を大事に頑張ってほしい。眠れなくなりそうです(笑)」
久常涼、初日首位から2日目に後退——それでも週末へ
第1ラウンドに7バーディで「67」をマークし、メジャー史上初めて首位に立った久常涼。しかし第2ラウンドは3オーバーと苦しみ、通算イーブンパーまで後退した。
それでも予選は通過しており、土曜・日曜の2ラウンドが残っている。久常にとって週末は「初のメジャーV争い」から「学びの2日間」に変わったが、その経験は必ず来季以降に活きるはずだ。
マキロイも「3打差」圏内——チャンピオンたちが集結
今年のマスターズ連覇を達成したロリー・マキロイは、第2ラウンドに3バーディ・ノーボギーの67をマーク。ただし通算1アンダーと首位からは3打差。メジャー8勝目とキャリアグランドスラムの上乗せを狙い、混戦の中から上位を目指す。
「リーダーボードを見ると、誰でも勝てる状況だ。タフなコースだが、そこが面白い」とマキロイは前向きなコメントを残している。
第3ラウンド:注目の組み合わせとスタート時刻(JST)
| スタート時刻(JST) | 組み合わせ |
|---|---|
| 23:20〜 | マクニーリー / スモーレー(共同首位) |
| 23:09〜 | 松山英樹 / ポトギーター(3位タイ組) |
| 23:20〜 | シェフラー / キャメロン・ヤング(9位タイ組) |
| 23:09〜 | マキロイ / ルドヴィグ・オーベリ |
※時刻は日本時間(JST)で現地土曜日スタート予定。放送はESPN+(現地)、BS TBSなど。
週末の見どころまとめ
- シェフラーが2打差を逆転し、ニクラウス以来の連覇を達成できるか
- 「非常識ピン」批判を受けて、コースセッティングが修正されるか
- 史上58人が6打差以内という前例のない混戦から、誰が抜け出すか
- 松山英樹が3位タイから初日の追い上げを決め、メジャー2勝目を狙うか
- マキロイが3打差から逆転し、連続メジャー制覇(マスターズ+PGA)を達成するか
- 久常涼がバック9で復活の爆発を見せられるか
第3ラウンドは日本時間16日(土)深夜23時頃にスタート予定。CryptoGolfClubでは随時速報をお届けする。