2026年マスターズ・トーナメントが幕を閉じた。ロリー・マキロイが通算12アンダーで連覇を達成し、ジャック・ニクラウス、ニック・ファルド、タイガー・ウッズに並ぶ史上4人目の快挙を成し遂げた。6打差のリードを一度失い、最終日に取り戻すという前代未聞のドラマが繰り広げられたオーガスタの4日間を、海外メディアの報道を基に徹底レビューする。
第1〜2ラウンド:マキロイが36ホールの歴史を塗り替える
木曜日の第1ラウンドからマキロイは別次元のゴルフを見せた。精度の高いアイアンショットとパッティングが噛み合い、初日から首位に立つと、金曜日の第2ラウンドではさらにスコアを伸ばし、通算17アンダーまで到達。2位に6打差をつけるマスターズ史上最大の36ホールリードを築いた。
海外メディアはこの圧倒的なリードを「歴史的支配」と称し、マキロイの連覇は確実という論調が大勢を占めた。しかし、オーガスタ・ナショナルの歴史は、大きなリードほど脆いことを何度も証明してきた。
第3ラウンド:土曜日のドラマ——6打差が消えた日
マスターズの歴史が動いたのは第3ラウンドだった。マキロイはこの日1オーバー73と崩れ、一方でキャメロン・ヤングが驚異的な7アンダー65をマーク。朝の時点で6打あったリードは完全に消滅し、2人が通算11アンダーで首位タイに並ぶという劇的な展開となった。
この日のヤングのプレーは圧巻だった。特にバックナインでの4連続バーディは、オーガスタのギャラリーを熱狂させた。一方のマキロイは、パッティングに苦しみ、特にグリーン上での微妙なラインの読み違いが目立った。
マキロイは36ホール終了時点で6打差のマスターズ史上最大リードを持っていたが、第3ラウンドで全て失った。しかし最終日に巻き返して優勝するという、メジャー史に残るカムバックストーリーを完成させた。
最終ラウンド:アーメンコーナーで勝負を決めたマキロイ
日曜日の最終ラウンドは、まさにマスターズにふさわしい激闘となった。序盤はマキロイとヤングの一騎打ちの様相を呈していたが、中盤にかけてスコッティ・シェフラーがロケットのように順位を上げてきた。シェフラーはこの週末、土日通じてボギーなしという1942年以来の歴史的記録を達成している。
マキロイの勝負所は、まさにマスターズの象徴であるアーメンコーナーだった。7番・8番でバーディを奪って流れを作ると、12番パー3では的確なティーショットでバーディ。続く13番パー5でもバーディを奪い、通算13アンダーまでスコアを伸ばした。この時点でシェフラーに2打差、ヤングには3打差をつけ、優勝争いの主導権を握った。
最終18番ではボギーを叩いたが、リードがあったため逃げ切りに成功。通算12アンダー276でフィニッシュし、2位のシェフラー(11アンダー)に1打差で2度目のグリーンジャケットに袖を通した。
最終リーダーボード
| 順位 | 選手名 | 通算 | 最終R |
|---|---|---|---|
| 優勝 | ロリー・マキロイ | -12 (276) | 71 |
| 2位 | スコッティ・シェフラー | -11 (277) | 66 |
| T3 | ジャスティン・ローズ | -10 (278) | 68 |
| T3 | ティレル・ハットン | -10 (278) | 67 |
| T3 | キャメロン・ヤング | -10 (278) | 72 |
| T3 | ラッセル・ヘンリー | -10 (278) | 67 |
| T7 | サム・バーンズ | -9 (279) | 69 |
| T8 | コリン・モリカワ | -8 (280) | 68 |
| T8 | シェーン・ローリー | -8 (280) | 69 |
| T10 | ルドビグ・オーベリ | -7 (281) | 70 |
シェフラーの歴史的ウィークエンド
優勝こそ逃したものの、スコッティ・シェフラーの週末は伝説的だった。第3ラウンドと最終ラウンドの2日間でボギーなし。これは1942年以来82年ぶりの記録だ。特に最終日の66は、この日のベストスコア。前半は着実にパーを拾い続け、バックナインでバーディを量産してマキロイに猛烈なプレッシャーをかけた。
シェフラーはこれで通算5度目のグリーンジャケット(4度の優勝に加えて今回の2位)での好成績を記録。オーガスタとの相性の良さを改めて証明した。
サイドストーリー:ガルシアの崩壊とローリーのホールインワン
マスターズ2026は、優勝争い以外にも見どころが満載だった。セルヒオ・ガルシアは最終ラウンドで精神的に追い詰められ、ドライバーを破損するという衝撃的な場面を見せた。2017年の覇者がティーボックスにまでダメージを与える姿は、SNS上で大きな話題となった。
一方、シェーン・ローリーは12番ホールでホールインワンを達成。歴史的な一打はアーメンコーナーのギャラリーを沸かせ、ローリー自身もグリーンジャケット争いに加わる起爆剤となった。
賞金と記録:過去最高の2250万ドル
2026年マスターズの賞金総額は2250万ドル(約33億7500万円)で、昨年から150万ドル増額された。優勝賞金は450万ドル(約6億7500万円)と、メジャー史上最高額を更新。マキロイはこれでPGAツアー通算30勝、メジャー通算6勝目を達成した。ヨーロッパ出身の選手としては、ニック・ファルドと並ぶ最多メジャー勝利数だ。
- マスターズ連覇:史上4人目(ニクラウス、ファルド、ウッズに続く)
- メジャー通算6勝:ヨーロッパ勢最多タイ(ファルドと並ぶ)
- キャリアグランドスラム:史上6人目の達成者
- PGAツアー通算30勝
- 36ホール最大リード→崩壊→優勝:マスターズ史上初
次の注目:RBCヘリテージ&全米プロへ
PGAツアーは来週、サウスカロライナ州ヒルトンヘッドでRBCヘリテージが開催される。マキロイが連戦するかは未定だが、キャメロン・ヤング、シェフラー、ルドビグ・オーベリらがエントリー予定だ。
次のメジャーは5月の全米プロゴルフ選手権。マキロイが今年3つ目のメジャータイトルを狙えるか、世界のゴルフファンが注目している。マスターズ連覇の勢いを持って全米プロに臨むマキロイは、間違いなく今季最大の優勝候補だ。
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