サウジアラビアのPIF(公共投資ファンド)がLIVゴルフへの資金提供を2026年末で打ち切ると発表してから初めて迎えるメジャー大会——2026年PGA選手権が、5月14日(木)からペンシルベニア州アロニミンク・ゴルフクラブで開幕する。 ブライソン・デシャンボー、ジョン・ラームをはじめ11名のLIV勢が出場し、PGAツアー勢と初めてコースを共にする歴史的な週となる。
PIF資金撤退後、初めてのメジャーという歴史的文脈
4月30日、サウジアラビアのPIFは「2026年シーズン限りでLIVゴルフへの出資を終了する」と正式発表。5年間で50億ドル超を投じてきたリーグへの支援を打ち切り、ゴルフ界に衝撃が走った。
LIVゴルフは新体制として、ジーン・デイヴィス氏とジョン・ジンマン氏を共同会長に迎えた新しい独立取締役会を設立し、外部投資家の獲得に奔走している。しかしリーグ存続への不透明感が漂う中、2026年PGA選手権は選手たちにとって「自分の価値を世界へ示す最高の舞台」となった。
アロニミンクに輝くワナメーカートロフィー(提供:golf.com)
出場するLIV勢11名——注目選手一覧
PGA選手権の出場資格はメジャー優勝者・世界ランキング上位者など複数のルートがあるため、LIVゴルフ所属の選手も独自の資格で出場できる。今大会で出場が確認されているLIV勢は以下の通り。
| 選手名 | チーム | 注目ポイント |
|---|---|---|
| ブライソン・デシャンボー | クラッシャーズGC | 過去2年連続PGA選手権準優勝 |
| ジョン・ラーム | レギオンXIII | LIV2026個人ランキング首位(2勝3位3回) |
| キャメロン・スミス | リストアGC | メジャー通算4勝の実力者 |
| タイレル・ハットン | アイルランドRSM | 欧州ライダーカップでの活躍が記憶に新しい |
| ダスティン・ジョンソン | 4エーシズ | 特別招待枠で参戦 |
| エルヴィス・スマイリー | — | 若手注目株 |
| デイヴィッド・プイグ | — | 若手スペイン人 |
| トム・マッキビン | — | 1月にLIV加入の新鋭 |
| トーマス・デトリー | — | 1月にLIV加入のベルギー人 |
| ブルックス・コプカ | — | PGAツアーに復帰済み、元LIV |
| パトリック・リード | — | PGAツアー復帰予定、元LIV |
デシャンボー:2年連続準優勝から、今度こそ頂点へ
2026年マスターズのデシャンボー(提供:golf.com)
デシャンボーは2024・2025年のPGA選手権でいずれも準優勝に終わっており、アロニミンクは「3度目の正直」を狙う舞台となる。手首の不調が伝えられていたが、LIVゴルフ・バージニア大会を欠場して状態は回復傾向にあるとされる。
長打力が武器のデシャンボーにとって、ドナルド・ロス設計のアロニミンク(パー70・最長7,600ヤード)は本来得意なはず。しかし「飛距離よりショットの精度とバンカー処理が問われるコース」という評価もあり、一筋縄ではいかない。
「LIVに行ったデシャンボーがメジャーでどこまでやれるか、正直楽しみにしてる。PGA選手権の2年連続準優勝って実力は本物だし、今年こそ獲ってほしい」
ラーム:LIV個人ランク首位のスペイン人がメジャーでも頂点狙う
一方のラームは2026年LIVゴルフシーズンで2勝・3位3回をマークし、個人ランキング首位に立つ。DPワールドツアーとの長年にわたる罰金問題を解決し、さらにはヨーロッパ勢として選手権への門が開かれた今、精神的にもすっきりした状態でアロニミンクに乗り込む。
2023年マスターズ王者のラームにとって、PGA選手権のタイトルは悲願。LIV移籍後、メジャーで結果を残すことが最大のモチベーションであることは疑いない。
PGAツアーの主役たち——シェフラーとマキロイが立ちはだかる
連覇を狙うシェフラーとワナメーカートロフィー(提供:golf.com)
PGAツアー側の筆頭は世界ランク1位のスコッティ・シェフラー(オッズ+450)。ディフェンディングチャンピオンとして臨む今大会では、ブルックス・コプカ(2018〜2019)以来の連覇を目指す。
マキロイは+800のオッズで2番手につけ、マスターズ連覇後の勢いを維持できるかが見どころだ。さらにキャメロン・ヤング(+1100)も、ザ・プレーヤーズとキャデラック選手権の2冠を引っ提げて虎視眈々と狙っている。
LIV選手のPGAツアー復帰——今後の行方
マスターズ連覇後、PGA選手権でも優勝を狙うマキロイ(提供:golf.com)
PIF撤退によってLIVゴルフの先行きが不透明な中、複数のLIV選手の代理人がすでにPGAツアーに復帰の打診を行っているとの報道も出ている。コプカはすでにツアーに復帰済みで、リードも年内に復帰予定とされる。
PGAツアーCEOのブライアン・ローラップは「復帰選手には罰金や出場停止措置が課される可能性がある」とコメントしており、復帰の条件交渉はこれからが本番だ。デシャンボーやラームといったトップ選手の動向が、ゴルフ界の勢力図を左右する2026年後半になりそうだ。
2026年PGA選手権 基本情報
- 日程:2026年5月14日(木)〜17日(日)
- 会場:アロニミンク・ゴルフクラブ(ペンシルベニア州ニュータウンスクエア)
- コース:パー70・最長7,600ヤード(ドナルド・ロス設計)
- 出場選手:156名(PGA選手権史上最多水準)
- 賞金総額:非公表(推定2,000万ドル超)
- テレビ中継:ESPN・CBS・ESPN+・ゴルフチャンネル