サウジアラビアの国家投資ファンド(PIF)が、LIVゴルフへの資金提供を2026年シーズン終了をもって打ち切ることを正式に発表する見通しだ。Sky Sports Newsが4月30日に報じた。会長のヤシル・アル=ルマイヤンも辞任の意向を固めており、2022年の創設以来55億ドル以上を投じてきた巨大プロジェクトが重大な岐路に立たされている。
正式発表は30日午後 - 会長の辞任も同時に
Sky Sports Newsが複数の内部関係者から得た情報によると、LIVゴルフは4月30日(木)午後に声明を発表し、PIFによる2026年以降の資金提供が終了することを公式に認める見通しだ。
これに伴い、2015年からPIF総裁を務め、LIVゴルフの設立にも深く関わったヤシル・アル=ルマイヤン会長が同ポストを辞任する意向であることも明らかになった。アル=ルマイヤンはグレッグ・ノーマンと並ぶLIVゴルフの創設者的存在として知られる。
「戦略計画」を発表 - 新たな投資家を探す方針
LIVゴルフは資金撤退の発表に合わせ、独立した取締役委員会を設置し、新たな戦略的選択肢を模索する「戦略計画」を公表する予定だ。CEOのスコット・オニールは約2週間前、スタッフへの書簡で「今シーズンは万全の体制で継続する」と明言していたが、今回の発表でリーグ自体の存続に向けた抜本的な方向転換を余儀なくされた格好だ。
PIFは2026年から2030年にかけての新投資戦略として「持続可能な価値創造」と「投資効率の向上」を軸に据えており、LIVゴルフは新基準を満たさなかったとみられる。リーグは2022年の発足から2024年までの間に10億ドル以上の赤字を計上しており、今年末までの累積投資総額は60億ドルに達する見込みだ。
ラーム、デシャンボーらも対応を協議
LIVゴルフはすでに、デシャンボー(バッカニアーズ)やラーム(レジオンXI)を含む13チームのキャプテン全員と電話会議を行い、今後の方針について説明した。選手たちは自身のキャリアに関わる重大な決断を迫られており、関係者によれば「現場は混乱している」という声も上がっている。
LIVゴルフからPGAツアーへの復帰については、ブルックス・コプカがすでに独自の条件(5年間の株式付与なし、500万ドルの慈善寄付、今年はボーナスなし)のもとで復帰の道を拓いている。ラームについては契約が2027年まで残っており、デシャンボーは今シーズン終了とともに現契約が失効する。
LIVゴルフの現状と今後のスケジュール
LIVゴルフは各大会で3,000万ドルの賞金を提供してきたが、次回のバージニア州大会(5月7〜10日)は予定どおり開催される方針だ。なお、6月25〜28日のルイジアナ大会は今週はじめに延期が発表されている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| PIFの累積投資額 | 55億ドル以上(2026年末時点で60億ドル見込み) |
| 2022〜2024年の赤字 | 10億ドル以上 |
| 各大会の賞金総額 | 3,000万ドル |
| 次回大会 | 5月7〜10日、バージニア州 |
| ルイジアナ大会 | 6月25〜28日 → 延期 |
PGAツアーとの関係に新たな展開も
サウジPIFの撤退報道を受け、PGAツアーのCEOマイク・ロラップは「選手たちとの間には『傷跡』が残っている」としつつも、復帰の可能性について言及した。一方でゴルフ界の専門家からは、「PIFなき後のLIVゴルフが現在の規模の大会を継続するためには、新たな大口スポンサーや買収先が不可欠」との指摘も相次いでいる。
2022年に「ゴルフ界の革命」として鮮烈なデビューを飾り、世界トップクラスの選手を続々と引き抜いたLIVゴルフ。今後数週間の動向が、世界のプロゴルフの勢力図を大きく塗り替える可能性がある。