ゴルフ界が注目し続ける奇跡の復活劇——アンソニー・キムがLIVゴルフ・バージニアでT6(62、ボギーなし10アンダー)を記録し、世界ランキングが184位に浮上した。
2012年以来、実に14年ぶりのトップ200入りを果たした39歳のキムは、批判的な声に対して「誰が何と言おうと気にしない」と言い切った。
バージニアで62を叩き出し、チーム優勝にも貢献
5月11日(日本時間)に行われたLIVゴルフ・バージニア最終ラウンドで、キムは10バーディ・ボギーなしの62をマーク。最終ラウンドを首位から大きく離れた位置からスタートしながら、後半7ホールで5バーディを奪う猛追を見せ、個人T6に入った。
2026年、LIVゴルフで躍動するアンソニー・キム(photo: golf.com)
さらにキムは、チームキャプテンのダスティン・ジョンソンから4Aces GCのプレーオフ代表として指名され、そのプレーオフをものにした。
結果として4Aces GCがシーズン3勝目を飾り、キムはチームの最大の功労者となった。
「誰が何と言おうと気にしない」——挑戦者の言葉
「そう、誰が何と言おうと気にしない。これが俺のやること。これからも努力を続けて、上を目指していく。」
試合後の会見でキムは、"フルーク(偶然の勝ち)"ではないかという記者からの挑発的な質問に対して、淡々とした口調でこう言い切った。
批判的な声にも動じない——これが今シーズンのキムの一貫したテーマだ。
キャディとコース攻略を話し合うキム(photo: golf.com)
奇跡の復活——2024年末から始まったカムバック物語
アンソニー・キムは2011年を最後に事実上の引退状態にあり、足首の手術やプライベートな問題が重なって約12年半もの間、プロのトーナメントから姿を消していた。
2024年にLIVゴルフに参戦したキムは、当初こそ結果が伴わず世界ランク2,289位まで落ちていた。
2026年2月、LIVゴルフ・アデレードで16年ぶりの優勝を達成(photo: golf.com)
転機は2026年2月のLIVゴルフ・アデレード。
最終日に9バーディ・ボギーなしの63を叩き出し、首位との5打差を一気にまくって約16年ぶりの優勝を果たした。
この快挙でキムは世界ランクを847位から203位へ一気に引き上げ、ゴルフ界に衝撃を与えた。
アデレード優勝の瞬間——16年ぶりの感動(photo: golf.com)
全米オープン出場は逃すも、全英に向けて戦いは続く
今大会でキムはLIV個人スタンディング5位につけているが、全米オープンの出場枠はルーカス・ハーバートがバージニアで優勝したことで自動的にハーバートのものとなった。
しかし、全英オープン(ロイヤルバークデール)の出場枠は残り2大会でまだ争われる状況だ。
現在個人スタンディング3位のハーバートとの差を縮められるか——キムの挑戦は続く。
LIV個人スタンディング上位で他の資格を持たない選手1名が全英オープン出場権を獲得。残り2大会でキムがハーバートを抜けるかが焦点となる。
「キムの話は本当に感動する。私が彼の全盛期を知っているだけに、12年以上も苦しんだ末の復活がどれだけすごいことか。負けそうになっても諦めないという姿勢は、私たちアマチュアにも励みになる。」
「ゴルフを始めてからキムの話を知ったけど、これだけ続けられるメンタルは本当にすごい。ゴルフって技術だけじゃなく、こういう心の強さも大切なんだと改めて思った。」
ファンへのメッセージ——「みんなの支えが信じられない」
会見の最後でキムは、復活を支え続けたファンへの感謝を語った。
「信じられないほどの支援を受けている。ゴルファーだけでなく、ゴルフ以外でも自分自身の問題と戦っている人たちからも。私がただゴルフをしようとしているだけなのに、どれだけの人々が影響を受けているか。本当に恵まれている。だからこそ、努力を続けなければならない。」
2024年末に2,289位だったキムが、わずか1年余りでトップ200入りを果たした。
この先にどんなストーリーが待っているのか——全英オープン出場権獲得に向けて、残り2大会でのアンソニー・キムの奮闘から目が離せない。